鈴小学校(佐賀町)  すず    へき地級3(1978)
 2005(H17)年休校

  1958(S33) 1963(S38) 1968(S43) 1978(S53) 1998(H10) 2004(H16)
在籍児童数 53  43  39  18 



 佐賀町の北東部海岸にある鈴小学校へは国道56号線から9km山越えをするか、佐賀町中心部から海沿いに走るしかない。地図を見ると中土佐町から佐賀町にかけての海岸沿いには道路がないことがわかる。一応計画だけはあるようだが、実際には地形・地質の問題で道路の建設には莫大な費用がかかり、その維持にはさらなる費用がかかるであろう。

 訪問は2005(平成17)年の6月、休校になったのは4月なのでわずか2ヶ月しか経っていない。行きは佐賀町中心部から海岸沿いに走った。とはいえ、実際には断崖が続くので海岸線のそばを走るわけではなくむしろ山道の連続である。先に述べたようにこの海岸沿いに道路の新設計画はあるようだが、約20kmに渡って途中の窪川町興津地区意外に集落のない、つまり人手の入っていない海岸をあえて壊す必要はないのではないかと思う。
 住民の方の話では1970年代までは車道がなく、中学校は拳ノ川中学校へ徒歩で山越えをして通ったという。集落で急病人が出た場合や買い物には船で佐賀町中心部まで行くのが普通。拳ノ川中学校が佐賀中学校へ統合された頃が一番大変で、いったん徒歩で拳ノ川へ出て、バスで送迎があった(実際には悪天候以外の時は船で通うのがほとんどだったそうだ)。拳ノ川への車道は今でこそ舗装されているが当時はダートで、舗装と拡幅の改良工事完了は1976(昭和51)までかかっている。数年前に海岸沿いの車道が完成し、佐賀町中心部への時間が大幅に短縮された。
 休校後には鈴漁港前をを7:15発にスクールバスが出て佐賀町学校/中学校まで約25分、帰りは16:55と18:55に鈴漁港前に到着。スクールバスの運転手さんに聞くと児童生徒併せて13名+保育園児だという。やはり朝は時間的に厳しいようで佐賀町中心部に勤める親の車に同乗する児童生徒も多いらしい。鈴沖合では鰺漁が最盛期だそうで、話を聞いていた方から「売るほどのもんじゃない」と言ってレジ袋にいっぱい氷付きでいただいた。20匹もあり、自宅に帰ってフライとマリネにして(小ぶりだったので作者の腕では刺身にできず)味わったが、泣きたくなるようなおいしさであった。