西畑小学校(春野町)  さいばた
  旧西畑村立西畑小学校として設立、仁ノ小学校と統合のため1950(S25)年に閉校
 

 西畑小学校の設立は詳細な資料が残っていないため正確な時期は不明である。明治時代には西畑尋常小学校として設立されていたという。春野町誕生の前段階として行われた東隣の仁ノ村との合併で仁西村となり、仁ノ小学校と合併して仁西小学校として新設移転した。閉校は1950(昭和25)年である。
学校跡付近
 訪問は2007(平成19年)7月、春野町町史でも仁ノ小学校と西畑小学校については統合の記載はあるものの場所が定かでない。春野町教育委員会でも正確な場所が把握できないとの事であった。とりあえず西畑地区へ出向き、何人かの方に訪ねながら歩く。場所は集落のほぼ中央で校門らしきものが残っていた。記念碑などはないようで、道路拡張でかなり雰囲気が変わったらしい。
 西畑では「西畑デコ芝居」と呼ばれた人形芝居がかつて高知県内はもとより全国的にも有名であった。明治時代に発祥したと言われるこの人形芝居は現在世界的な主流となっている棒使い人形劇を早くから行っていた。これはもともとサトウキビの生産で裕福だったこの地域が歌舞伎などの芸能活動にも熱心であり、その延長として人形芝居が盛んになったものらしい。また釘やコウモリ傘の生産も行っていたため、棒使いの材料を作るのは簡単であったということも一因である。残念ながら農村文楽の一部としても評価されず、高度成長期には姿を消している。現在「西畑人形芝居保存会」がその技術を伝承すべく活動を開始している。
 また西畑ではかつてスイカ栽培も盛んであり、昭和天皇へ献上したこともあったという。現在でも西畑の農協支社内に当時の感謝状だかが残っているそうである。スイカこそ栽培されなくなっているが現在でも施設園芸が盛んである。