大津小学校(土佐清水市) おおつ へき地級1(1978)
旧下川口町立大津小学校として設立、土佐清水市合併後改称され1993(H5)年より休校となりその後廃校
1958(S33) | 1963(S38) | 1968(S43) | 1978(S53) | |
在籍児童数 | 82 | 65 | 29 | 16 |
土佐清水市中心部から西進し、竜串・下川口を過ぎて大月町との市町村境まで2km足らず、国道312号線が大津大橋で集落をまたぐように左へと大きく曲がる。大津集落はその大橋がまたいでいる集落であり、大津小学校跡は集落の奥に残っている。学校の歴史は1875(明治8)年の大津尋常小学校に遡り、1993(平成5)年に休校となった。その後長らく休校のままであったが児童の回復は見込めないことから2004(平成16)年に廃校手続きがとられた。
訪問は2008(平成20)年の4月、廃校後は施設としての利用がないのかあるいは台風被害の問題もあるのだろうが堅く雨戸が閉ざされていた。平屋建ての小さな校舎でおそらく複式学級で3クラスではなかっただろうか。学校西側(写真左手)にはお寺が隣接している。明治時代の尋常小学校設立時にはお寺を代用したケースが多いので、おそらくここもそのケースであろう。
校区は大津地区、ほぼ学校周りだけに人家がある。主な生活手段は漁業での現金収入がほとんどあったが、漁価低迷等で後継者は皆無。当然児童生徒も現在はいない。30年前の夏に足摺岬から宿毛へと自転車で走っていたが、大津で昼食のおにぎりを食べていたら見知らぬ地元の方が干物をわざわざ炙って差し入れてくれた。当時は国道とは名ばかりの狭いくねくね道が延々と続いており、乗用車同士の離合もままならない道であった。今は完全2車線となった快適な道路が突き抜けている。便利にはなったがかつての旧道も岬巡りの情緒を醸し出す風情があった。今も大津周辺から下川口にかけて各地に残っている。
大津小学校校歌
紫匂う大潮の 寄せて砕けて玉と散る
叶が岬荒磯に 立てる巌は語らねど