桑ヶ市小学校(東津野村)  くわがいち
  東津野村立桑ヶ市小学校として設立後、船戸小学校へ統合
 

  1958(S33) 1963(S38) 1968(S43)
在籍児童数 26  17  18 


 桑ヶ市へは船戸から県道を走るか鳥出川から林道を走るかの2通り、後者は林道とはいえ完全舗装されている。集落の東側高台に集会所があるが、そこが学校跡である。集落のすぐ先は大野見村との境になる。


 

 訪問したのは2005(平成17)年3月。校区は桑ヶ市を中心とした地域であるが、かつて山中に点在した家屋はほとんどが転出し、痕跡すら定かでないそうだ。県道脇にはそれほど廃屋も目立たないのだが、地元の方に聞くと「こことあそことあの向こうの山の竹林の下」という風にかつて人家があった場所を教えてくれた。小学校自体は明治時代に分教場として設置され、1948(昭和23)年に単独校として独立した。1972(昭和47)年に船戸小学校に統合された後、校舎は取り壊されて集会所となっている。
 集落下を流れるのは四万十川、10数キロほど上流の不入山(いらずやま)に源流を発するこの大河は300とも言われる支流を集めて、196キロの長い流れとなり中村市で土佐湾に注ぐ。勾配が緩いためにダムの建設ができず、そのために「最後の清流」と呼ばれるが。山の疲弊は激しく最近では透明度や生物の減少が指摘されている。桑ヶ市付近ではまだ大河の面影はなく、山間を縫うように流れている。