谷相小学校(香北町)  たにあい   へき地級1(1978)
  旧在所村立在所第四小学校として設立、谷相小学校に改称後合併で香北町立に移管、2002(H14)年に休校

  1958(S33) 1963(S38) 1968(S43) 1978(S53) 1998(H10) 2000(H12)
児童数 70  49  37  19 


 

 谷相小学校は香北町中心地である美良布から物部川を渡り、河野地区へ向かう西又林道と分かれて東岸を狭い谷筋に沿って約6kmの場所にある。この林道は谷相林道と言って、このまま山越えをして大豊町東豊永へと続いている。周辺は三谷地区と呼ばれており、横谷・中谷・谷相の3地区の総称である。1872(明治5)年の尋常小学校設立以来130年にわたって地区のシンボルだった小学校も過疎化によって21世紀早々にその歴史を閉じた。校舎自体は残っているが2006年3月をもって廃校手続きがとられた。 



 訪問は2005(平成17)年11月、途中でスクールバスとすれ違う。休校時に4人残っていた児童は大宮小学校に通っていると聞いたが、中学生もいるようであった。晴れた日には太平洋が見えるという学校だが、あいにく薄曇りの天候のため展望は効かなかった。7年前に谷相林道を大豊町側から自転車で走ったことがあるが、東豊永のすぐ先からは廃屋ばかりで谷相小学校のすぐ上までまったく民家がなかった記憶がある。
 この地区も他の中山間地域と同じで主に林業や炭焼きが中心でわずかな耕作地では自家消費用の作物を作る程度だった。このため高齢者ばかりが残るようになっていた。最近になって高知市などから豊かな自然を求めて移住する家族連れが見受けられる。休校後の学校活用について地元で「三谷地区を元気で楽しくする『おとなの楽校』実行委員会」 という組織を作って、炭焼き学級・明るい料理学級・パソコン学級を開催しているそうだ。パソコン学級に関しては土佐山田町にある高知工科大学の生徒がボランティアで協力し、地区外の人との交流を積極的に行っているそうである。