古井小中学校(安芸市)  こい  へき地級3(1978)
  旧東川村立古井小学校として設立、合併後に中学校併設となり2001(H13)年に休校
 

児童生徒数の推移

1955(S30) 1960(S35) 1965(S40) 1970(S45) 1975(S50) 1980(S55) 1985(S60) 1990(H2) 1995(H7) 2000(H12)
児童数(小学校) 85 77 45 35 14 20 7 5 3 1
生徒数(中学校) 43 28 20 26 10 9 7 3 3 1

 古井小学校の前身は古井尋常小学校で明治時代初期に創設されていたようである。古井中学校は戦後尾教育制度改革に伴って新設され古井小学校に併設となった。過疎化による校区内児童生徒数の激減により2001(平成13)年に休校となった。児童生徒数の推移を見るとわかるが1980(S55)年に上流にあった別役小中学校が統合されたので若干増加している。



 訪問は2008(平成20)年5月、伊尾木川沿いの県道を遡ることになる。昨年別役小中学校跡を訪ねて以来である。安芸市市街地からは距離にして41km、時間は1時間少々かかる。旧東川村の役場所在地であった入河内から先は人家も少なくなり、行き交う車もほとんどなくなった。対岸に大井の集落を見ながら先を進むがこのあたりからは人家も絶えてきた。地図上ではいくつかの字があり、ところどころに廃屋も見受けられるので以前は住民もいたのであろう。やがて川向こうに学校跡が見え、そこが古井小中学校であった。中ノ内地区ということであるがやはり周辺に人家はないが、県道脇に崩れた瓦屋根がいくつか見えており過疎化の進んだことは実感できる。
 学校から1kmほど上流に古井簡易郵便局があり(正直このような場所にまだ郵便局が残っている事自体驚いた)、少しだけ話を聞かせてもらう。実際のところ郵便局以外に人の気配がなく、仕事中だったとはいえ他に話を聞けそうな場所が見つからなかったのである。一応現在のところ校区内の人口は10人少々だが、入院中あるいは子供に引き取られた人もいるので実際に居住しているのは7人だそう。奥の別役地区を入れても30人足らずなので郵便局自体も経営としては相当厳しいようである。後日安芸市役所で伺った話では個人経営の簡易郵便局ではなく、安芸市からの運営委託という形でになっている。地区内での主な産業は農林業で、戦前は楮三椏が栽培されていたが戦後は養蚕が主力となった。製炭も盛んであったがガスの普及に押されて姿を消し、養蚕も海外との価格競争に太刀打ちできなかった。それでも安芸市合併直後は微減だった人口だが、木材自由化がきっかけで激減へと向かう。かつてピーク時に128名いた児童生徒は0名となっている。最近は休校即廃校となる、もしくは数年で廃校となる傾向が強いが古井小中学校は休校から7年経つ現在もまだ休校中となっている。安芸市の小中学校の夏休み教室などに活用されているようである。